10/14 「反貧困フェスタやねん!!」ステージ登壇者発言についての見解


反貧困全国キャラバンの大阪でのイベント「反貧困フェスタやねん!!」でのステージ登壇者による発言について、反貧困キャラバン大阪実行委員会は、以下のとおり経緯のご説明とすると共に、実行委員会としての見解を表明します。

〈経緯〉

本年10月14日(日)の「反貧困フェスタやねん!!」のステージにおいて、反貧困キャラバン大阪実行委員長の生田と数名で「野宿問題についてのトーク」を行いました。
このトークの最中に、登壇者の一人(男性)が、会場内で関東地方の野宿者強制排除問題のチラシを配付していたAさん(女性)対して、「○○(地名)、強制排除かかっとるだろう。なにをしてんだ、今ここでおまえは」と激しく責め立て、女性の反論に対しても「現場いま行っとるんかあんた。」と詰問するということがありました。
さらに、ステージ下から別の男性から謝罪すべきとたしなめられても、「現場、まず出てないじゃん。現場ほったらかしてここでチラシまいてもそれは説得力持たんわ。」と言い張り、ステージ上の男性の発言の一部はマイクを通して会場内に伝わりました。その後、ステージ上のトークは続けられ、最終的にこの発言について触れることなく、トークは終了しました。
その結果、女性が支援チラシの配布を続けようとしても、周囲に敬遠されて受け取ってもらえず、最終的に、女性は会場内のブースの一つで動けなくなってしまいました。生田から男性に謝罪を求めても男性は謝罪を拒否しました。
実行委員会としては、午後のステージにおいて、生田が委員長としてこの件の経緯と見解、反省を延べ、あらためて、発言の問題点とそれを放置したフェスタ実行委員会側の問題について触れました。また、女性がアピールすることができない状態だったので、その場で彼女が訴えようとしていた強制排除問題についてアピールし、野宿者ネットワークのメンバーがフェスタ会場内でチラシの配布を行ないました。

〈反貧困キャラバン大阪実行委員会の見解〉

登壇者の男性の発言は、次のような意味で問題があると、当実行委員会は考えています。

(1)活動する者が現場に行くことも重要ですが、一方で、様々な場に出て現場の問題を伝え、賛同を集めることも重要な活動の一つです。現場との関わりや距離の取り方は人それぞれの選択やそのときどきの事情によります。「現場にいないからダメだ」と一方的に批判することは、個人的な関係としても、運動にとってもマイナスです。
(2)ステージ上から会場内のすべてに聞こえるマイクで批判したことにより、批判されたAさんは、活動のスタイルについての個人的な問題を一方的に公にされたのに、たとえ反論の声をあげても、会場の多くの人には聞こえせんでした。その結果、Aさんやその活動への批判だけが一人歩きしてしまうことになりました。
(3)男性である登壇者が、女性であるAさんにマイクを使って大声で威圧し、反論を封じたことは、男性からの女性への暴力的発言とも言えます。直後にステージ下から登壇者に疑義を呈した男性には怒鳴り返すことはなく、怒声は女性であるAさん対してのみ投げられました。

このような問題がありながら、主催者側が、これらの発言についての抗議や問いかけをまったく行わなかったことは、完全な誤りでした。発言があった時点で、トークの流れを止めてただちに「今の発言はひどいと思う。謝るべきではないか」と問うのが当然でした。仮にトーク中に発言者が会場にいる人に物理的暴力を行なえば、トークの流れに関係なくただちに割って入るでしょう。発言による暴力についても同じ対応をするべきでした。
また、この発言に抗議したのは主に女性でした。トークの登壇者(いずれも男性)が発言に対して反省や反論をほとんどせず、そしてAさんが女性が集うテントで動けなくなったことと合わせ考えると、トークそのものが結果として女性への暴力的な抑圧を行なっていたことになります。社会全体で女性への精神的・肉体的暴力が絶えない中、こうしたことがあれば、反貧困フェスタなどのイベントに参加しようとする女性を排除することにつながりかねません。それでは、たがいの力を合わせて貧困問題に立ち向かおうという「反貧困フェスタやねん!!」の意義そのものが意味を失ってしまいます。
さらに、動けなくなったAさんをケアするスペース・人員について、実行委員会として何も用意できず、フェスタに参加したブースの一つに、事実上任せきりになってしまいました。
フェスタに関わってくださった方の精神的・肉体的安全を確保できなかった事について、実行委員会としての問題を感じています。フェスタの在り方も含めて反省しなければならず、Aさんに対し心からお詫び申し上げます。また、今後こうした事態を繰り返さないために、参加者の安全という観点からの取り組みを検討し、よりよい集会やイベントを作り上げていきたいと考えています。

                                          以上

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“10/14 「反貧困フェスタやねん!!」ステージ登壇者発言についての見解” への2件のフィードバック

  1. in埼玉 より:

    場所は違えど自分も同じキャラバン活動に参加していた者として怒りと恥ずかしいさでいっぱいになりました。失礼ですが、同席されていた男性は手をあげる暴力でなければ暴力ではないと感じているように見受けられます。また傲慢さもありませんか。私は一緒に活動していた男性2人対私でフェイスブック上で卑劣な書きこみ、いじめかと感じることがありました。周りにも伝えましたが、何の解決にもならず、そのままでした。ますます恐怖を感じました。もう一緒に活動は出来ないです。反貧困活動をしていて精神的貧困に陥る。当事者が声を上げるとうたっていますが上げても嫌な思いをしただけでした。今でも思い出すと気持ちが悪いです。暴力、モラルハラスメント、関係者は弁護士、福祉関係者多いですよね。世間とのズレ、モラル、感覚、大切にしてください。もったいないですよ。残念ですよ。女性が心配です。ケアしっかりなさってくださることお願いいたします。宇都宮弁護士、大事なときですよね。酒井桂

  2. in埼玉 より:

    場所は違えど自分も同じキャラバン活動に参加していた者として怒りと恥ずかしいさでいっぱいになりました。失礼ですが、同席されていた男性は手をあげる暴力でなければ暴力ではないと感じているように見受けられます。また傲慢さもありませんか。私は一緒に活動していた男性2人対私でフェイスブック上で卑劣な書きこみ、いじめかと感じることがありました。周りにも伝えましたが、何の解決にもならず、そのままでした。ますます恐怖を感じました。もう一緒に活動は出来ないです。反貧困活動をしていて精神的貧困に陥る。当事者が声を上げるとうたっていますが上げても嫌な思いをしただけでした。今でも思い出すと気持ちが悪いです。暴力、モラルハラスメント、関係者は弁護士、福祉関係者多いですよね。世間とのズレ、モラル、感覚、大切にしてください。もったいないですよ。残念ですよ。女性が心配です。ケアしっかりなさってくださることお願いいたします。宇都宮弁護士、大事なときですよね。応援しています。

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